ペンション村 水没

ペンション村が水没していると言えば大事件ですが、こちらは廃墟なので、取り急ぎの人命救助などは必要ありません。江戸時代から歴史のある大規模な塩田の跡地に、1980年頃オープンした当時のリゾート施設。岡山県牛窓町にある鹿忍グリーンファーム。プールやゴルフ練習場、テニスコートなどのスポーツ設備も完備した宿泊施設として誕生しました。元塩田ということもあり、潮の満ち引きを利用して、海水から塩を取り出すタイプの塩田だった為、土地としては、通常の状態だと雨水も捌けて行かない場所です。海抜が海の満潮時よりも低く、水が溜まってしまうんです。本来なら水を外へ汲み出すポンプが活躍し、水たまりになることを避けれらますが、塩田跡地のポンプは現在閉鎖されています。2010年頃、管理者がこの地を放棄した頃から、排水が停止し、時間をかけて年々水が溜まっていきました。持ち主が手放した時から数年で全体的に冠水、近辺に暮らしている地元住民の人達からも、夏の悪臭や虫の大量発生などクレームが寄せられる問題のスポットになっていますが、地権者が話し合いに応じず、苦情への対応は進展が無いまま、事態は解決していません。しかし、オリーブ園でのオリーブの収穫体験や、干潮時のみに歩いて渡れるロマンチックな黒島ヴィーナスロード、ヨットハーバーからの壮観な眺めやジェラートにあなご料理など、日本のエーゲ海と称される穏やかな瀬戸内海に面した美しい絶景も数多く見られる地区なので、そういった充実の景勝地や観光施設のあるエリアからも程近く、衝撃の見た目が映えるシチュエーションとして、県内外から観光に訪れる観光客や、撮影者には大変人気がある立ち寄りスポットです。水に浮かぶ家屋群はかしのでも一際異彩を放つ上、浮かんでいる訳ではなく実は周囲一帯が水に沈むという廃墟的な要素も相まって、土日の週末にはテレビや雑誌の取材、旅行サイトなどでも取り上げられることもあります。近年ではカメラを持参した見物客が集まっている状態で、もともと廃墟マニアや珍スポットめぐりファンなどの間では有名なフォトスポットです。鹿忍グリーンファーム跡地が、現在ではすいぼつぺんしょん村と名前を変え、リゾート地の話題のお出かけ先として注目を集めています。珍しい情景を写真に収めたい、実際の姿をひと目見てみたいと客足は伸びていますが、廃墟によくありがちな心霊スポット感が無いところも魅力です。雰囲気は開けた場所で明るく、カモや川鵜などの鳥たちが巣を作ってのどかに過ごしています。日中でも薄暗いし、夜は完全に何か出そうなおどろおどろしいムードは一切ありません。晩は暗い為、見学は朝から昼の明るい時間がおすすめ。怖がりでも行きやすく、周辺と比較すると不思議で奇妙なのは明らかですが、違和感があるだけでその空間は湖畔のような野鳥や水鳥がのんびり過ごす平和な時間が流れています。

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