軽やかな語感は、紀伊田辺のお店の名前です。
和歌山県田辺市にある、天然酵母パンとパスタが自慢のイタリアンレストラン、RaRaLocale。
田辺の街並みの景観的財産とも言えるノスタルジックな雰囲気漂う歴史のある建物は、昭和24年に田辺市警察署として建築された後、田辺市立図書館、市教委、中部公民館を経て、現在の姿に至るそう。
ララロカレでパンやお料理を朝、昼、、夕夜、食事やおやつで食べようと初めて訪問する人なら、Bakery cafeとは気付かず通り過ぎてしまいそうな外観です。
今回は、2021年に和歌山市、岩出市方面から白浜の手前までドライブしたときに、お食事ではなく、お土産に、観光ガイドやトラベルサイトで話題になっていた、噂のくまぐすあんぱんを探しての寄り道。
予約の可否や駐車場、利用時の正味予算の目安、メニューなどをはじめ、店舗周辺の観光施設情報、FacebookなどSNS、実際に来店した感想を実食レポを交えご案内していきます。
ララロカレのパンのこだわり
天然酵母パンというと、天然酵母がどういうものか、など詳しく知らない方でも、なんとなく体に良いイメージがありますよね。
ララロカレのパンの場合はホームページでも、パン屋さんのこだわりが日本語で紹介されていますが、毎朝、お店でパン職人さんが手作りし、焼き立てを提供しています。
HP掲載内容は外国語は対応していません。
全ての商品に、小麦の味がしっかりと感じられリッチで上品な香りになると定評がある国産小麦「春よ恋」と、天然酵母を使用し、稀少な発芽小麦を使った商品開発など、食べる人の健康を意識して心を込めて作られています。
イーストフードや保存料なども一切使用せず、無添加で地元の食材にこだわった身体に優しい、みんなを笑顔にする商品です。
ララロカレはパンの購入のみでもOK
ランチセット目的やカフェを楽しむお客さんでお昼から賑わっている、女子ウケ抜群のレトロでオシャレなパスタ屋さんですが、ベーカリーのみの利用も可能です。
お店のスタッフによるデリバリーはありませんが、テイクアウト販売以外に、店内でイートインも出来ますし、お茶を飲んで、お好みの商品1つから購入のみでももちろんok。
ララロカレのパンは、入り口を入ると、奥、左側がカフェレストランの座席のあるスペースになっていて、入ってすぐの手前右側に販売スペースがあり、その場所に並べられています。
私が行ったのは、ランチタイムが終わって、お店の客足も落ち着いた静かな時間でしたが、十分に充実した種類が揃っていました。
ララロカレのパンはどんな種類があるの?
来店した時に置いてあったものから一覧でご紹介していきます。
主な種類は、フランスパンやバターロールなどの食事系と、菓子パン、焼き菓子で、見た感じ惣菜系のものはありませんでした。
日によって違うのかも知れないし、私も聞かなかったので、もしかしたら見落としたのかも知れません。
ララロカレのパンのラインナップ、来店当日の品揃えはこんな感じでした。
食事系:フランスパン(バタール)・バターロール・RaRaコッペ・ケフィア食パン・塩麹食パン
菓子パン系:くまぐすあんぱん各種・RaRaメロン・シュガーバター・宇治抹茶小豆ミルク・チョコクッキーデニッシュ・クルミメロン・とろけるりんごパン・粒あんぱん・クリームパン・さつまいものクラウン・アップルデニッシュ・シュガースティックデニッシュ
お菓子:ミルクラスク・にこちゃんサブレ
ララロカレにパンを見に来たのは、お目当てがあってのことだったので、狙っていたくまぐすあんぱんが無事に買えて満足。
くまぐすあんぱんは、紀州梅あんぱん、芋あんぱん、栗あんぱん、こしあんぱん等、5つのフレーバーが、残りわずかですがまだあって、お値段は各162円。
6つ以上買うと、サービスで、熊楠さんのイラストと簡単なエピソードがプリントされた、ピンクの可愛いギフトボックスに入れてくれるみたいなので、6つ以上の購入で箱が入り用なら、スタッフさんまでお伝えください。
プレゼントや手土産にもぴったりの、気の利いたパッケージでした。
他にも気になるものがたくさんありましたが、食べきれないので、当店人気No.1とキャプションされていた一番人気のメロンパンと他に数種だけ頂きました。
クッキー生地が厚めでサクサク香ばしく、中はふんわりして、とても美味しかったです。
ララロカレのパンに自家製カスタードクリームをたっぷり入れたクリームパンや自慢のフランスパンに練乳クリームを塗ってカリッと焼いたラスクも美味しそうで気になりましたがまた次回。
お腹がパンパンな時も、1つ2つ気になるものが見つかると思います。
売り場には、生豆から自家焙煎したブレンドコーヒー(粉)も販売されていました。
くまぐすあんぱんって?
くまぐすあんぱんって?と思ったかたもいらっしゃると思います。
ララロカレのパンの1つ、くまぐすあんぱんというのは、和歌山県出身の世界的博物学者、南方熊楠さんの名前にちなんでいます。
和歌山の粘菌の先生の名前を冠したあんぱんは、和歌山が産んだ偉人、南方熊楠が、生前あんぱんが大好きだったというエピソードから誕生しました。
18ヶ国語もの言語を話し、生涯を森羅万象のありとあらゆる探究に費やした、甘いものが大好きな天才が、中でも特に大好きだったのが、あんぱん。
お買い物するときは、いつも決まって6個、好きな女性に送った初めてのプレゼントもあんぱん30個だったとか。
ララロカレのパンのボックスが6つ入りなのは、そういう理由なんでしょうね。
水木しげるさんの漫画、猫楠 南方熊楠の生涯を読みましたが、人柄や交友関係など色々なエピソードなど知ることができ、とても読みやすいです。
田辺には偉人、南方熊楠ゆかりの地がたくさん残っていますので、興味が沸いたら、巡ってみるのもおすすめです。
ララロカレのパンの価格帯
私が行ったときに店頭にあったものの中で、最安値はRaRaコッペでお持ち帰り価格が90円、イートイン91円でした。
大体が100円前後の金額で、その日見た中で一番高価だったのでも食パンの220円でした。
ララロカレのパンはこだわり材料で手作りなのにお手頃な価格設定で良心的です。
夕方行くと、お安くなっていてさらにお得だとか。
ララロカレのパンを販売している建物・パーキング情報
外観は白を基調とした風格ある立派な建物です。
大通りから離れた静かな場所で、すぐ裏側が無料の駐車場で、収容台数は20台。
ララロカレのパンが販売されている手前、ガラスの窓が入った入口扉の前には、階段が5段ほどありますが、すぐ横にスロープもあります。
昭和24年に、田辺警察署として建築され、その後に、田辺市立図書館や、市教委としての利用を経て、中部公民館へ。
老朽化し、取り壊し予定で遊休していた大正ロマン溢れるこの旧田辺警察署を、「子供の頃から慣れ親しんできた建物を活用させていただきたい」と名乗りを上げ、現在のRaRaLocaleとして生まれ変わりました。
石造り風に見える重厚な建物は、実は木造で、長い時間をかけて傷んでしまった部分の補修は大変難航したそうです。
当時の面影のまま復元され蘇ってオープンした店舗は、ギャラリーも併設していて、ライブや個展の会場としても使用可能。
収容人数は約70人、ご検討の際は詳細を店舗にお問い合わせください。
2階ホールの貸切利用も相談できます。
名前の由来
ララロカレのパンは、お安い価格と体に優しい仕様の地元で愛されるおいしいご当地ぱんです。
ラララ♪と鼻歌を口ずさみ、闊歩したくなるような田辺のまちなかであって欲しいとの願いを込めて、イタリア語でローカルを意味するロカレを足して、ララ・ロカレ(raralocale)になったんだとか。
口に出すだけでスキップしたくなるような、軽やかな名前は、田辺の街にとても似合っています。
ララロカレのパンを買える時間帯は?営業時間・定休日
お店の営業時間は、午前9時から午後17時半です。
その内、ティータイム営業は9:00〜11:00と14:30〜17:30で、ランチタイム営業が11:00〜14:30となっています。
ランチを挟んで、ランチの前後はcafeタイムということですね。
ララロカレのパンは売り切れていなければ終日販売されているようですが、遅くなるとどうしても種類が少なくなります。
お休みは火曜日です。
ララロカレのパンの所在地、予約など基本概要
お店の住所:和歌山県田辺市上屋敷2-6-7
問い合わせ先の電話番号:0739-34-2146
ララロカレのパンの販売は、売切れない限り可能ですが、レストランの予約は縛りがあります。
予約の受付は来店当日の11時までに電話でご予約。
基本的に11時に来店頂ける方のみの予約を承っています。
テーブル、カウンター合わせ合計の席数は20席です。
姉妹店や系列店など
ララロカレのパンを買いに行った時に、通ったかも知れないぐらいすぐ近くの距離に、町家カフェ上屋敷二丁目という古民家カフェの姉妹店があります。
和風のメニューと石窯で焼いたピザが人気で、洋館の一軒家レストランRaRaLocaleとは対照的な純和風の店舗ですが、実はこちらが先で、RaRaLocaleは町屋カフェの二号店の候補地を探していてあそこになったのだと公式ホームページに紹介がありました。
経営母体は、まちづくりと就労支援を目的に活動している、かたつむりの会というNPO法人です。
町家カフェ上屋敷二丁目、RaRaLocaleともに、障害者就労継続支援A型事業所として運営、2019年度に町家カフェ上屋敷二丁目はB型事業所に変更されました。
ララロカレのパン屋さんは西牟婁圏域自立支援協議会のページでも掲載されています。
内訳は現在の障害者福祉サービス事業から、ゆくははすべての人が生き生きと暮らせる地域づくり目指している団体です。
田辺市の市街地に活気を取り戻したい、社会生活を送るのにヘルプが必要な人たちの就労場所を作りたいとの思いから、2008年2月にこの会を設立。
創設依頼の活動の実績として、引きこもりから脱却した人たちの職場体験実習や、2008年度には発達障害について理解を深めるセミナー開催、町家カフェの開店を目指してボランティアとともに基礎から雨よけの小屋まで手作りし念願の地域のコミュニティレストランをオープン。
高齢者や子連れのママたちで賑わうだけでなく、目標通り、支援の必要な人たちの就労場所として機能する場所なりました。
ララロカレはパンの香り漂う町家カフェの2号店としてオープン後、食べログに登録された口コミやtwitter、facebookなどのSNSでの写真の投稿、グルメブログなどで洋館のお洒落なランチスポットとして人気を博し、今では遠方の地方や東京などからも観光のお客様が訪れ、リノベーション事例としても注目を集めています。
営業時間の都合でお誕生日や記念日のディナー注文には厳しいかも知れませんが、クリスマスシーズンには期間限定のメニューを用意していたり、季節のお楽しみも登場。
前々年、2020年度には廃業したノギ製パン所にリスペクトして、田辺の自家焙煎コーヒー専門店バニラカフェ、文筆家の甲斐みのりさん主宰の雑貨ブランド、Loule(ロル)の3者で、コラボ、かつて中辺路地区に存在したノギ製パン所の昭和ムード満点のパンダのパンを復刻していたり、これからのコラボも楽しみです。
ノギ製ぱん所コラボでぱんだのぱん皿にもデザインされているロゴマークは、この為に復刻したんだとか。